たけのこ収穫後の作業② ウラドメ

ウラドメって?

前回記事の施肥と同時にこの時期行っていく作業がウラドメです。

たけのこが高く伸びて竹になりかけているタイミングで竹の先端を揺すって折る作業です。

※木や竹の先端のほうを「裏」根本側のことを「元」と呼びます。先端を止めるから「裏止め」ってことですね。地域によって呼び方があるみたいで、芯止め、先止め って言ったりもするそうです。

ウラドメを行う理由としては主に次の4点があげられます。

①竹の背を低くし、また、しだれを無くし風倒を防ぐ。

②中小形たけのこの発生を促す。

③葉の量を増やす。

④間伐作業の効率を上げる

通常伸びきった竹というのは、先端部分がしだれています。先端部に行くにつれて竹が細くなっていき葉の量も集中するからですね。

ウラドメ施工の有り無しのイメージ ※実際は枝が発生しきる前に行います。

この状態だと強い風が吹いたときに先端がおもりのようになって大きく揺れて折れたり、根こそぎ倒れてしまったりします。ウラドメを行うことで頂点の高さが下がり、しだれを無くし、風の影響を軽減することができます。

「でも、先端部分を折ったら枝の付いてる段が減って葉っぱの量が減っちゃうんじゃないの??」って思われる方が多いかと思います。

ところがっどっこい!!なんと葉の総量は増えるそうです!!

ウラドメした竹とウラドメをしなかった竹の葉の枚数を数えるという実に大変な実験を行った研究でそれが実証されています。どっかに論文あったと思うので気になる方は調べてみてください。

実際にウラドメした竹を間伐してみると、明らかに枝が太くなって葉が大量に茂っているのを感じます。

先端を折るというストレスによって竹の持つ防衛本能を刺激してたりするのかもしれないですね。

しかも面白いことに刃物なんかで先端を「切る」のでは「折る」のと比べて葉量を増やす効果が薄いとか・・・。不思議です。

更にウラドメを施工した竹林では発生するたけのこのサイズが小さくなり、発生量が増える傾向にあります。ここでまた「サイズ小さくなったら良くないんじゃない??」って思われる方が多いかと思いますが、実はタケノコの市場価値は1kg以下のものが高いので、そのサイズが増えるのは生産者にとっても喜ばしいコトなのです。

最後に間伐作業の効率化に関してです。鹿児島県には間伐した竹を紙にしてくれる工場があるため竹をチップ工場に販売することができます。しかし先端の細いほうはパルプ用のチップにできないため、林内に集めておくか、粉砕処理するか、焼却処理するしかありません。なので、その部分が無くなることで非常に作業がしやすくなるのです。

と、イイことずくめのウラドメ作業ですが、しっかりとした作業をしなければ逆に親竹の生育を悪くしたり(場合によっては竹にならずに枯れてしまう)折れたウラが落ちてきてケガをしてしまったりします。

ですので次回はウラドメのやり方についてお話したいと思います。

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